第31回トライアスロン宮古島大会
出場アスリートからの熱いメッセージ。

大会が終わったのがついこの間の事のように思い出されるそれぞれのトライアスロン。

アイアンマン。彼らは鉄人であり、哲人だった。

第31回トライアスロン宮古島大会を無事に終える事が出来てホッとしました!

競技場に入って来た時は何とも言えない気持ちで、グラウンドを走る数分間は夢のようでした。どうせ泣くなら嬉し泣きがいい!スタートラインで誓った言葉が12時間後に現実となりました!

トライアスロンと同じ31歳。これからも己の限界に挑戦し、人々を魅了する大会で人々と協力をし、ゴールを目指したいです!

新崎 亮太さん 宮古島市 31歳

「練習は嘘をつかない」

その言葉を信じ、2年間のトレーニングに耐えストロングマンの称号を掴みとる事ができました。

20代後半まで運動とは無縁の自分でしたが『フルマラソン』に挑戦し年々とタイムを縮め、挑戦する度に自信がつき、いつの間にか『トライアスロン』の道に進んでいました。

仕事前など空いた時間をフルに使い練習を積み重ね大会当日には「絶対に完走は出来る」という自信に溢れレースを楽しめました。

ボランティアの方々や沿道で応援して下さった方々には本当に感謝しております。

これからも挑戦し続ける自分を応援して下さい。

ありがとうございました。

仲間 紀昭さん 宮古島市 36歳

トライアスロン宮古島大会には9回参加しており、すべて完走できました。今回は残念ながらスイムが中止となり、美しい宮古島の海で泳ぐことはできませんでしたが、開通したばかりの伊良部大橋が初めてバイクコースに入り、伊良部島もバイクで走れて大変満足できる大会となりました。

トライアスロンとは自然と一体となって行う競技です。灼熱の太陽だったり、強風や雨だったり、高波、潮の流れなどなど常に地球と対話しながら競技します。いつも感じることは、人間の微力さです。ひとりよがりにもがいていてはすぐに潰れてしまいます。そんな時、自然に体を任せます。そうすると、応援してくれる島の人々や家族の顔が浮かんできます。ボランティアや運営スタッフに守られていることに勇気が沸いてきます。共に戦っているアスリートの存在も力となって、毎回無事に完走できるのだと思います。

宮古島トライアスロンは出ている選手だけでなく、見ている人すべてが感動できるすばらしい大会だと思います。民宿や地元の方とのふれあいも魅力のひとつです。

これからも、日々精進して、またここに戻ってきたいです。

依田 茂樹さん 滋賀県 46歳

3回目の出場となったトライアスロン宮古島大会。悪天候のためデュアスロンとなりスイムは中止。これは2年前のリベンジを果たすチャンスだと思い、全力で挑みました!

Run→ここはウォーミングアップ。突っ込まず、焦らずゆっくり走る。

Bike→伊良部大橋、来間大橋、七又では突風にあおられ、ドキドキガチガチしながらの走行。本気で怖かった~。安全に安全にとじっくり距離を稼いでバイクは終了!

Run→二ヶ月前の疲労骨折からの不安だらけのスタート。42km走りきれるのか?

スタートしてみると『お、いたくない??いける!?』と思いきや、折り返してからペースダウン・・・各ステーションでコーラ飲みすぎてまたペースダウン・・・1キロ1キロが長い。。

でも負けない。

沿道のみなさんから元気をもらい、なんとかゴールまで辿り着きました!

友人、トライ仲間、ボランティアの皆様。多くの方達の支えがあっての完走です。本当にありがとうございました!

宮国 進さん 宮古島市 33歳

「理想のトライアスリート」としての自分と、「現実にトレーニングした結果」としての自分とがいる。トレーニングとは理想の自分を追う作業、レースとは現実そのものだ。しかし今回、レース中に「理想の自分」を追ってしまう。結果、バイク終盤に両モモが痙攣し、降車時には腰の痛みでしばらく動けず、過去経験のない脚の重さでラン開始。エイドのたびにモモ部分に氷を貯めながら。

総合10位内を掲げた目標には遠く及ばないことはわかっている。でもエイドの子供たちはそんなの知らず、ひたむきに応援してくれる。

総合22位、「表彰台を逃した参加者の中で最も速い」という栄誉は得た。(笑)

そして「ただゴールまで走り切る」のは、本当に楽しいと思った。(写真提供:Tri-x Kozo Kinoさん)

八田 益之さん 東京都 42歳

私は、トライアスロンを始めて27年目の63歳、ロングのみ年3大会に参戦しています。宮古島大会は今回で23回目の完走でした。私が所属するトライアスロンチームBig Lakeのメンバーが過去最高の宮古島出場!!嬉しい一言です!レース中はお互いに励ましあい力を貰い、同じゴールを目指す楽しい宮古島でした。

今回の宮古島大会は、初と言う言葉が似合う大会だったと思います。

距離が31回開催で初の最高距離、バイクの距離が157kになり、総距離202.195km。伊良部大橋を渡る初のコース恐ろしい風に悩まされ、何回となくバイク転倒する~と思った!!8回大会、10回大会から連続出場し23回目にしての初の恐ろしい強風、伊良部大橋でした。

23回宮古島大会に参戦し59歳でエイジの表彰で壇上に上がった時から、4年間頑張ったご褒美を頂いた。今年はrunningを主に練習を積み、最後まで集中した走りが出来た事で、やっと最高に嬉しい年代別初優勝する事が出来ました。この第31回宮古島トライアスロン大会は生涯心に残る、初の出来事ばかりの大会でした。

素晴らしい伊良部大橋渡れることを、工事が始まった時期から夢見ていました。毎年、大橋が目の前に見える公園で眺めていました、その橋が完成し始めて渡る31回大会に参戦出来た事は幸せです。最高です!!

私には、宮古島大会参加年齢の定年まで2大会が残されています、私を育ててくれた宮古島、多くの仲間が出来た宮古島、ボランティアの優しさを痛感させられた宮古島、あと2回恩返しのつもりで参加することができれば幸せです。

アスリートの故郷 宮古島最高!!

米倉 宏亨さん 滋賀県 63歳

「第31回宮古島トライアスロン」に3年ぶり6回目の出場(完走)!悪天候の為、大会史上2度目のデュアスロン競技になり残念ですが、それはそれで楽しめました。

宮古島で生まれ育ち(現・東京在住)やっぱり故郷でのレースは最高でした、身体はキツく脚が攣ってても笑顔にさせてくれる応援には感謝です。

今回はデュアスロンになったという事もあり、不完全燃焼的な部分もありましたので、来年もまた出させて頂けるのなら、是非チャレンジしたいです。

亀浜 功裕さん 東京都 31歳

宮古島は天候が大荒れで安全性を考慮しデュアスロンに競技変更となった。レースはファーストラン6.5kmバイク157kmセカンドラン42.195kmとなった。自然を相手に行う為こういった競技変更も醍醐味として楽しもう。

そしてこの距離でのレースは世界一のロングデュアスロンになる。つまり僕にとって初のロングレースは世界一の挑戦となった。

宮古島に来たかった。宮古島トライアスロンで自分を表現したい。感情を全面に出したトライアスロンをやりたかった、僕がトライアスロンが好きな理由はこんなところ。そしてトライアスロン競技をする中で日頃から刺激をもらえる心強い仲間が増えていくのも良いところ。

ファーストランでは高揚感を抑え落ち着いた展開に。その後のバイクでは冬場取り組んできた事を出して順調に距離を踏んで行った。

遠く前方より聞こえる迫力ある太鼓での応援。ボランティアの方や沿道から聞こえる温かい応援がエネルギーとなってバイクのペダリングにも力が入る。

その考えも強風とタフなコース、距離的な未体験ゾーンに身体が思うように動かなくなった。

セカンドランに入って10km程で現れた身体の重さ、経験した事のない身体の異常。精神面も参る。ロングの過酷さを感じて一歩が踏み出せるかどうかの不安。何も出来ない不甲斐なさ。このままでは終われない、身体の動かせる場所を感じ前に進んだ。不恰好な展開でもゴールしたい。

チームのみんながゴールで待ってる!!まだ行ける!!仲間の激が途切れた気持ちを繋いでくれる。声をかけてくれる。沿道の声援は腰砕けで顎は上がりどう見てもイケテナイ僕にナイスラン。良い調子!ゴールできるよ!おかえり〜と潰れた脚をゴールに運んでくれた。

そしてチームフラッグを掲げ一歩一歩大事にゴール!今までに感じた事のない感情が涙となってあふれた。

世界一のロングデュアスロンで勝者となる事が出来た。

人のあたたかさに触れ、声援に後押しされ疲労が全身を支配している中でのゴール。

僕が描いていたシーンとは全く違う展開であったが、感情を全面に出し不恰好でもゴールというのは僕らしい。

また大好きなトライアスロンに出逢うことが出来た。

木村 豪臣さん 滋賀県 42歳

今大会で8回連続出場となりました。

宮古島の海、自然、そして島の方々の熱い応援が大好きで毎年参加させて頂いております。

2010年からは、大会翌日にゴミ拾いを企画し選手、ボランティア、応援の方々でランコースの清掃を行っております。

大会で目標達成できた選手、そうでなかった選手、残念ながら完走できなかった選手でも翌朝の早朝からゴミ拾い。皆がストロングマンです。

毎年、選手から出るゴミが減ってきているのが嬉しいです。

この先ずっと活動を継続していきます。

写真は私の企画前からずっと継続されているチームブレイブの方々とのものです。

最後に、毎年、本大会を作り上げて下さっている大会実行委員、そして宮古島の方々に感謝致します。

岩渕 努さん 秋田県 29歳

3年前にトライアスロンを始め1年目はショート、2年目はミドル、3年目にロング、そのロングは宮古島トライアスロンでと思っていました。

なぜ宮古島かと言うと、僕のトライアスロンの師匠から『宮古島トライアスロンは他の大会とは全然違うよ、島が完走さしてくれるで』と宮古島の魅力や島の人達の温かさを毎回毎回聞き、一度出場してみたいと思いました。

今年の宮古島はチームから10数人出場することになり、まして僕の近辺で6人も行くことになり、心強い限りでした。

レースはスイムがなくなりデュアスロンになり、最初のランはチームメイトとアップ程度で走り、バイクではサングラスを忘れ雨が降る中スタートし、伊良部大橋の強風はなかなか体験出来る事がないぐらいきつかったですが、島ををぐるっと一周は景色を見ながら楽しめました。

最終ランは緩やかな登りが足にきて、一番きつかったラスト10キロはエイドごとに水やスプレーを使い、なによりも沿道の『おかえり~、もう少し』の声援とチームメイトが伴走して一緒に走ってくれたお陰でなんとか競技場までたどり着く事ができ、念願の家族と一緒にゴールがでました。親父が頑張ってる姿をちょっとは見せられたかなて思います。

今年は残念ながらあの綺麗な海で泳ぐ事ができなかったので、来年は真のストロングマンになりたいと思います。

松本 英夫さん 滋賀県 48歳

年々出場の確率が低くなるなか、出れるだけでも有難い大会。まさにスタートラインに立てただけでも感動です。今回は50歳代初の大会に気合いも入りました。

トライアスロンは敗者のないレースですが、今までの自分や目標とする仲間などにも勝ちたいレースでもあります。

長いレースはクリスマスの当選通知から始まって腕のリストバンドを切るまで。

今、ゴールから一カ月が経ち東京でも初夏の陽気のなか三社祭で神輿を担ぎトライアスロンのシーズンを改めてスタートします。

中澤 達也さん 埼玉県 50歳

全ての「参加者たち」へ

私達、宮古島Styleから、「このレースには敗者はいない。そして、参加した全ての人たちを讃たい」という気持ちを込め、第31回宮古島大会トライアスロンのショートムービーを作成しました。

来年のトライアスロンでまた、お会いしましょう。

ワイドー!ワイドー!!
魂が癒される言霊の力

トライアスロン選手は口々に言う。「僕らがレースに専念できるのも、全ては影で支えてくれるサポーターさん、ボランティアスタッフさん、そして友人、家族や島の人たちの応援があるからこそです。」と。主役を支える縁の下の力持ちがいるからこそ、過酷なレースの中にも笑顔があるのかもしれない。

神女(カミンマ)による安全祈願のカンニガイ(神願い)
神女が神唄を歌う

AM5:30

スタート地点の前浜ビーチのとある波打ち際。神女(カミンマ)による安全祈願のカンニガイ(神願い)が執り行われる。(神女は宮古方言で「カミンマ・ツカサンマ」と読みます。司女(ツカサメ)という言う方をされる方もいます。)

今回のトライアスロン大会は天候不良のためデュアスロンに変更されたが、レースの安全を神様に祈願し、参加者全ての人が神様に見守られる。線香・酒・米などなど、一番座のお供え物が用意されている。

神女が神唄を歌う時、不思議な懐かしさが心を打った。今でも神の存在がかけがえのないものなのである。

伊良部大橋を渡る白バイ

コースの安全確認のため白バイが伊良部大橋を通る。この時点での天気はすでに荒れていて、橋の上は進むごとに風向きが変わる強風に煽られる。伊良部大橋は2015年1月31日に開通し、31回大会にして初めて宮古島と伊良部島を繋ぐ橋がコースとして採択され、危険なレースが故にやはり慎重に検討しなければならない。

トライアスロンの主役、選手を支える縁の下の力持ち。

すべての選手に向けての応援メッセージ
応援幕がいたるところで掲げられる

「ワイドー!ワイドー!!」

スタート地点から応援幕がいたるところで掲げられる。各選手を励ますもの、すべての選手に向けての応援メッセージなど、そのほとんどが手作りによるもので、雨の中でもこの応援が選手の背中を後押しする。この応援幕はレース中のいたる所、エイドステーションなどでも見られる。

遠くから聞こえる太鼓の応援の音

「ワイドー!ワイドー!!」

地元の子供たちによる応援。遠くから聞こえる太鼓の応援の音がバイクレースのスタートの直後の選手たちを鼓舞させる。その力強い音にペダルを踏む足に力がこもる。

テッポウユリが選手たちを歓迎
クイチャー 獅子舞

「ワイドー!ワイドー!!」

東平安名崎付近のバイクの折り返し地点ではテッポウユリが選手たちを歓迎。宮古島の自然の中を自由に走れるのも、トライアスロン宮古島大会の醍醐味。

そしてクイチャー愛好会によるクイチャーで選手たちを後押し。上野字新里付近では獅子舞も見られる。選手たちは右手を上げて応援に答える。

池間島手前の島尻・狩俣エリア
いたるところで応援

「ワイドー!ワイドー!!」

池間島手前の島尻・狩俣エリア。宮古島のトライアスロンはその名のとおり、宮古島全域に渡る島全体を使ったレース。いたるところで応援のテントが立ち並び、太鼓や声援で選手を応援する。

おばあ達が作る「癒しのパワースポット」
第二ランのエイドステーション

「ワイドー!ワイドー!!」

第二ランのエイドステーション。広場ではやはり踊りによる応援。選手たちに向けて「ワイドー!ワイドー!!」という応援の中に「かっこいいよー!」という声が。その声に選手たちに笑顔が戻り、休憩で歩いている選手たちはこの前で再び走り出す。ここはおばあ達が作る「癒しのパワースポット」に違いない。

公設市場前の交差点でランの選手を激励
JTAのCA達もエイドステーションに立つ

「ワイドー!ワイドー!!」

市街地では地元の中学生によるブラスバンドの応援。公設市場前の交差点でランの選手を激励する。宮古まもる君も選手たちの安全を見守る。

衣装を着て太鼓をたたいて応援する人や、JTAのCAさん達もエイドステーションで選手たちにドリンクや水を手渡す。栄養補給も選手たちの大事な活力源なのだ。

地元の中高生、宮古島ローカルのアーティスト
FAT KAZYA

「ワイドー!ワイドー!!」

ゴール地点近くの軒先では有志のライブが行われ地元の中高生、宮古島ローカルのアーティストたちが歌で背中を押す。選手たちにラスト数kmの最後の力を呼び覚ます。残すところあとわずか。本当は上がらないはずの腕に力が戻り、声援にこたえるハイタッチ。

宮古島生まれの食いしん坊。体重100キロ超級。泡盛大好きパーティ大好きなキュートなFAT野郎。FAT KAZYA BANDの「パーティーをはじめようぜ!」で選手たちもニヤリと両手を上げてガッツポーズ!(文句は引用です)

応援に駆けつけた家族や地元のエイサーチーム
PM20:30まで、熱気に包まれた

「ワイドー!ワイドー!!」

ゴールのテープ前では応援に駆けつけた家族や地元のエイサーチームによるラストスパートの応援が。ゴール会場の運動公園は、制限時間のPM20:30まで、熱気に包まれた。

ふれあいパーティー(後夜祭)

トライアスロンの後夜祭
宮古島市総合体育館で表彰式

後日、宮古島市総合体育館では表彰式が執り行われた。その後ふれあいパーティーでは選手たちは泡盛やビールなどで乾杯し、料理を囲んで和気あいあいとした雰囲気の中、舞台で繰り広げられる余興を楽しんだり、戦友とレースを振り返ったり、次回のトライアスロンでの再会を誓い合う姿などが見えた。そして、やはり、宮古島のトライアスロンの後夜祭(実際にはPM17:00)にはクイチャーなのである。

ふれあいパーティー
がんばれ!

スタートから選手たちはこの「ワイドー!」と言う言葉に後押しされ、ゴールを目指す。そして各ポイントでのボランティアスタッフや地元の人によるクイチャーや声援などなど、この宮古島のトライアスロンは人の温かさに後押しされ、レース参加者だけでなく、見守る全ての人たちが作り上げるトライアスロン大会なのだ。

来年はあなたが、この宮古島の地でトライアスロンを楽しんでみませんか?

トライアスロン。その熾烈な戦いに敗者はいない。
自然と、自身との極限のレース。

2015年4月19日、日曜日午前8時、最も過酷なレース、宮古島トライアスロン大会2015の号砲が鳴る。感動のフィニッシュを夢見て、1474名の屈強な鉄人・ストロングマンたちが今、走り出す。

天候不良の為、水泳競技中止となり、競技はデュアスロンとなった
スタート前の最終チェック

天候不良の為、水泳競技中止となり、競技はデュアスロンとなった。デュアスロンとは、ファーストラン(6.5km)、バイク(自転車ロードレース157km)、セカンドラン(42.195km)を順に行い、タイムを競うもの。本来の宮古島のトライアスロンルールはスイム3kmから始まるところ、天候不良でスイムは危険であると判断し、急遽デュアスロンに変更。協議変更のアナウンスを聞き、エントリー完了の選手たちの表情は残念の色。しかしすぐに気持ちをリセット。スイム用のスーツからランニングウェアに着替え戦闘準備。ペースを守るための必須アイテムである時計のチェックも入念だ。

小雨の振る中スタート地点には続々と出場選手が集まる
選手の間にも緊張感が

スタート時刻が一時間繰り上がり、小雨の振る中スタート地点には続々と出場選手が集まってくる。参加者の中にはピリピリとした空気を纏う人、同日の誕生日を祝う人、仲間とのゴールを約束する人、レーススタートの待ち方は様々で、笑顔や緊張感などが混じりつつ、選手たちのボルテージは徐々に上がってくる。

世界的オペラ歌手の中丸三千繪さんが国家を歌う

スタート直前。世界的オペラ歌手の中丸三千繪さんが国家を歌い、選手一同で「ワイドー」三唱(ワイドー=耐えろ・しのげ・頑張れの意)。練習の成果を出す瞬間が今まさに迫ってきている。

選手たちが一斉にスタート

号砲が鳴り選手たちが一斉にスタート。招待選手、記録が期待される選手は前方からのスタート。そのストライドは力強く、風を切り裂く音が聞こえてくるような迫力。

コンディションは悪い
ファーストラン(6.5km)

スイム(3km)の変わりにファーストラン(6.5km)に、つまりデュアスロンになったからと言ってレースの難易度が下がるわけでは決してない。むしろ「悪天候」によって余儀なく変更されたレースであれば、その分ロードの過酷さも増すのは想像に容易い。

開始数秒後にはシューズは水浸し

開始数秒後にはシューズは水浸しであり、気温も下がり、最高のコンディションでいられる時間などほぼないに等しい。

ロードレース(157km)

ロードレース(157km)の頃には雨も上がり始め、今度は気温も上昇しだす。自転車に乗り換えた選手たちが次々にステーションから飛び出していく。

自然の中を自由に、好きなペースで走り、思い切り楽しめる

宮古島のトライアスロンは「過酷さ」だけではない。自然の中を自由に、好きなペースで走り、思い切り楽しめる、そういったレースでもある。

トライアスロンはタイムを競い合うだけの競技ではない

トライアスロンはタイムを競い合うだけの競技ではないのだ。だからこそ、勝ち負けや記録に拘らず、自分の好きなようにゴールを目指すことができる。

自転車は坂にとても敏感

自転車は坂にとても敏感で、視覚では感じられない坂でも、上り坂ではペダルがやや重くなったり、逆に下り坂ではやや軽くなることで、とてもゆるやかな坂の存在を知ることがある。一方、勾配5度の坂は分度器を見ると大した坂でないように思われるかもしれないが、自転車には非常にきつい坂になる。勾配5度の坂が20mもあると、もはや坂の向こうは見えないほどだ。

レースで最も過酷な伊良部大橋

そしてこの伊良部大橋。一体何度で何十メートルの坂なのだろうか。

本物のトライアスリートは決して無理をすることはない

海からの強風に煽られて非常に危険なコースだったため、タイムより安全に注意し、事故を起こさないように走る選手が多かった。トライアスロンは究極の生涯スポーツ。本物のトライアスリートは決して無理をすることはない。

エイドステーション
一生懸命選手をサポート

エイドステーションでは水分やスタミナ補給、クールダウンのための水を含んだスポンジが配られる。このエイドステーションにいるスタッフはそのほとんどがボランティアで運営され、一生懸命選手をサポートする重要なセクション。長い経験を持つサポーターがいるこの宮古島のトライアスロンは選手たちにとっても心強い味方なのである。

セカンドラン(42.195km)に突入

そしてレースはセカンドラン(42.195km)に突入する。42.195kmと言えばフルマラソンと同じ距離。これまで総走行距離160km以上を走ってきた選手はたちにとって、ここからが本当の「自分との戦い」が始まる。

沿道からは応援の声援

沿道からは応援の声援。手を振る観客に手を振り替えしたり、立ち止まってハイタッチをする選手、カメラに向かってガッツポーズをする選手もいれば、疲労がピークに達し、気力だけで足を前へ前へと進める選手もいる。

ゴール地点である宮古島市陸上競技場
月桂冠とメダルが授与

ゴール地点である宮古島市陸上競技場。上位の選手は獅子舞、地元の子らに囲まれて、この大会初のゴールテープを切り、月桂冠とメダルが授与される。

満身創痍の選手

後続の選手が続々と競技場に入ってくる。制限時間直前、競技場は最大の盛り上がりを見せる。ボロボロの体で足を引きずるようにして入場した最後の選手に目頭を熱くした人は少なくないだろう。

選手の応援に駆けつけた家族や友人
ラストスパート

ゴールは目前。選手の応援に駆けつけた家族や友人が横断幕やのぼりを持って選手と共に最後のストレートを並走する。選手はその応援の声を聞いて、残り一滴のガソリンも残さないほどのラストスパート。

2015年のトライアスロン宮古島大会が幕を閉じた

午後20:30、制限時間いっぱいまで続々と選手がゴールし、1019名の選手の家族や友人と喜びあう姿が。ゴールすることができずリタイヤを余儀なくされた選手。制限時間までに間に合わなかった選手。参加したすべての選手の栄誉を讃える花火が打ち上げられ、その場にいた全ての人が夜空を見上げ喜びを分かち合い、2015年のトライアスロン宮古島大会が幕を閉じた。

努力すれば、誰もが努力の分だけ強くなれる

努力すれば、誰もが努力の分だけ強くなれる。鍛えられたトライアスリートの姿がカッコいい。勝ち負けや記録に拘らず、自分のペースでレースを楽しめる。一種目のスポーツ競技よりも一緒にいる時間が長く、そして同じ苦境を共有しているため、ライバルであっても励ましあう関係になれる。一人ひとりにドラマがあり、これらすべてがトライアスロンの魅力なのかもしれない。完走した時の達成感は、何物にも言い代え難いほど、たまらないものなのだろう。

感動をありがとう!そして、来年こそはこの宮古島の美しい海を泳げることを願って。