Loading...

宮古島Style [ presented by Miyakojima City ]

宮古島Style [ presented by Miyakojima City ]

episode.7

音楽が絶えない、音の島。

scroll down

episode7
  • 「音」

宮古島の黄金時間はあやぐとともに。

夕方。どこからか三線の音が聞こえる。赤ちゃんの泣き声すら、幸せに感じる時間。

日が照れば太陽に合う音楽を。日が暮れるときにはサンセットミュージック。

感じる音を楽しむ。だから宮古島で鳴る音はどこか心地よく、原始的な血が騒ぐ。

宮古島に根付く音楽文化。琉球の風に乗って聞こえる島唄。三線の音色、太鼓と三板のリズム。これが島人の魂の鼓動。これが途切れることは無いのです。

「イーヤーサーサー」「ハーイーヤー」という合いの手。これさえあればどんなアーティストの音楽だって沖縄色に染まるから不思議。

喜びも悲しみもかき混ぜて分かち合う。「カチャーシー」が教えてくれる大切なこと。

苦しさを乗り越えて、豊年や感謝の気持ちを込めたり、雨を降らせてくださいと願いを込めた「クイチャー」も。

全部、特別なことじゃないんです。でも、当たり前のことなんだけど、当たり前じゃない。宮古島にかかればどんな音楽も特別なのかもしれません。音楽の島、宮古島へようこそ。

宮古島ロックフェス

「SAVE THE SEA! SAVE THE SKY!!」

音楽があふれる宮古島、夏の始まりははやっぱりロックフェスから!出演するアーティストは日本のミュージックシーンを牽引する錚々たる顔ぶれ。日本のロックフェスの中でも注目度は急上昇中なのが“MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL”です。島内外の音楽ファンが待ちに待ったこの3日感を楽しむために、トゥリバー地区ヘッドランド特設会場に集結します。

宮古島の夏の風物詩とも言える宮古島ロックフェスティバルですが、実は宮古島のロックフェスのそもそもの始まり(通称第0回)は与那覇前浜ビーチで300人規模のクラブイベント的なものだったそうです。「島の外に音楽を聞きに行くのは難しい…ならば呼んでしまえば良いいじゃないか!」という、いかにも宮古島らしさ溢れる「無ければ作る!」という精神を感じます。それが今ではロック雑誌にも特集で掲載されるほどに。

燦々と降り注ぐ太陽と、キラキラと輝く宮古の海、爽やかにそよぐ風、そして轟音。これが熱くならないわけがないのです。前夜祭・後夜祭も出演アーティストの気まぐれ感があふれ、ものすごくフレンドリー。オリオンビール片手に屋台で宮古グルメを楽しむのもまたフェスの楽しみの一つ。

サンゴの海に囲まれた宮古島は、エコアイランド宮古島としても知られています。その土地で“SAVE THE SEA SAVE THE SKY”をテーマに、多くの環境活動に力を注いでいます。毎年会場で多く使われ、大量のゴミとなっているプラスチックカップを減らし、来年も再来年もリユース可能なカップにしよう!これは小さな一歩かもしれませんが、世界一クリーンなフェスへの第一歩としてはとてつもなく大きな一歩です。

ロックと言えば粗野だったり、乱暴者のイメージを持つ方もいるかも知れませんが、オーディエンスのみなさんも進んでビーチクリーンに参加したり、会場内も驚くほどポイ捨てが少ないのです。音楽の人を動かす大きなチカラは確実に宮古島の自然環境を支えています!

なりやまあやぐ

妻が夫を諭す教訓歌として、もっとも知られている宮古民謡の名曲の一つ。なりやまあやぐの発祥地は宮古島は城辺町の砂川、友利であると伝えられていて、その宮古民謡の代表曲「なりやまあやぐ」を継承していくことを目的として発祥の地・友利で開催される大会です。

なりやまあやぐは、宮古民謡を代表する教訓歌です。沖縄本島の「てぃんさぐぬ花」、石垣島の「デンサー節」と並んで、沖縄地方の〝三大教訓歌〟のひとつとされています。

イムギャーの海上に特設ステージが作られ、この日は朝から、参加された男女の歌者さんが「なりやまあやぐ」だけを歌い、夜にはロウソクと水中照明で幻想的な雰囲気の中で、勝ち進んできた歌者さんの美しい歌声が響き渡ります。

「なりやま」は「慣れている山」のことで、「あやぐ」は「うた」のこと。「ヤマ」とは「ひとの集まるところ」を指し、海でもひとが集まるところであれば「ヤマ」と言うのだとか。

サーなりやまや なりてぃぬ なりやま
(すべての世の中の道理、物事の成り立ちを)

すみやまや すぅみてぃぬすみやま
(教訓として心に染めてくださいね)

イラユマーン サーヤーヌ すぅみてぃぬすぅみやま
(ああ、本当にそうだよ、大切な教えをしっかり心に染めてくださいね)

教訓歌というのは、歌の中に、子孫に伝えたい深い教えが込められているものです。本来は、あくまでも、年長者が教え諭すのが教訓歌です。ですが、この歌は、特に歌詞の解釈が難しいらしく、歌う人の立場によって、さまざまに異なる解釈があります。

サーぶりゆしなんみゃ あまいどぅ ゆしず
(寄せては返す波が、何度でも繰り返し、微笑って寄せてくるように)

ばんぶなりゃ あまいどぅ んかい
(①私の妻は、わたしがどんな悪さをして、浮気をしてしまった後でも、変わらず笑顔で迎えてくれる)
(②私は妻として、あの人がどこで何をしていても、どんなに遅くなっても、変わらず笑顔で迎えるのです)
(③私の親は、わたしがどんな悪さや親不孝をしてしまった後でも、変わらず笑顔で迎えてくれる)

イラユマーン サーヤーヌ あまいどぅんかい
(①そうだね、変わらず笑顔で迎えてくれるね)
(②そうだね、笑って迎えるわ)
(③そうだね、決して変わることなく、いつでも微笑って優しく迎えてくれる、親というものは本当にありがたいね、親の深い情には感謝しかないよ)

歌い手が男性の場合が①、女性の場合が②、子供の場合が③ということなのでしょうか。もし女性が歌う場合でも、あくまでも年上の姉さん女房が、頼りない夫に対して教え諭すという感じになるのかな、とイメージしてしまいます。

奥深い民謡の世界。幻想的な夜の風景と男女のなりやまあやぐ、不思議な時間が流れます。

ミュージックコンベンション

宮古島ミュージックコンベンション開催の3日間、宮古島はある種、異常な熱気に包まれます。街を歩けばなんだか一般の人とは違ったオーラを纏う人たちに出会うのです。そう、この熱い3日間はステージだけでなく、宮古島全体が音楽に満たされる、“音楽大好き”な人にとってはまさに天国と化すのです。

昼のライブ以外にも夜は平良市街地のライブハウスやバーなど約7店舗による、出演者が最も近くで感じられる行き来自由のサーキット・セッションイベントも行われ、その距離感は他のどこでも味わうことができないでしょう。

想像してみてください。眼の前にいるあなたのヒーローに「○○さ~ん!アレ聴きたいたい!」と呼びかけて「あ、それ?聴きたい?やっちゃう?」みたいな。そんなゆるくて熱い展開。

当日まで秘密というシークレットメンバーが「え!すごい!」というミュージシャンだったり、「うわ、こんな音やアーティストがいたんだ!」と心がキラキラしてくるような出会いがあったり、音楽で宮古島が盛り上がってる感覚をオーディエンスのみんなで共有できる、そんな素敵な時間。

タイムテーブルもあえて用意せず、アーティストたちの感性とインスピレーションにゆだねるそれ自体がすでにセッションともいえるというコンセプトは、宮古島が誇れるゆるく、熱いイベント。ミュージックコンベンション期間は音楽漬けだぞ!と意気込んで参加しても絶対裏切られることはありません。

「訪れたときよりも綺麗な宮古島にして帰ろう!」をスローガンに、ゆっくりのんびりと「宮古島」を楽しむ音楽イベント。宮古島の楽しい三日間を堪能してください。

クイチャーフェス

クイチャーは、宮古諸島各地に伝承されている集団の踊り。豊年祭や雨乞いなどで踊り、娯楽としても踊られ、宮古島の人々の生活や信仰に深く結びついている大事なもの。宮古島に来たらクイチャーを踊る機会も多いでしょう。

クイチャーの語源はクイ(声)をチャース(合わせる)ともいわれていて、皆が声を合わせて歌いながら、手拍子を打ちつつ踊ります。今では伴奏に三線を用いるところもありますが、本来、クイチャーは楽器を伴うものではないといわれてきました。

歌は、豊穣を祈る歌、雨乞いの歌、恋人への思いを込めた歌、生活や労働の喜び、苦しみなどを歌った歌など多様であり、人びとの生活や信仰に深く根ざしています。また、その他の解釈としてはクイは神に「乞う」とされていることも。

また、本来クイチャーは、野外での踊りで、ザーと呼ばれる広場や辻(道路の交差点や道ばた)などで男女が輪を作り、両手を前後左右に振り、大地を踏みしめ躍り上がるような動作を繰り返します。

伝承地や踊る行事や歌によっては男性だけ、女性だけ、男女共、ツカサたちだけが踊るクイチャーという風に分けられます。また、男女共に踊る場合には、男女それぞれが別の輪を作り、輪を二重三重にする形や、輪の半分が女性、残り半分が男性という具合に分かれて一つの円を描く形などもあり、地域によって様々な特徴があります。

男女同時に歌い踊るところや歌もありますが、男性が踊る間、女性が手拍子を打ちつつ歌い、女性が踊ると男性が歌うという掛け合いの形をになることも。一つの歌を歌い終えると直ちに次の歌へと移り踊り続けます。祭祀にかかわるクイチャーでは、ツカサが歌を先導しますが、娯楽として踊る場合は、歌詞に精通した者、歌が上手な者が自然と歌っていたそうです。

episode.7
音楽が絶えない、音の島。